SILS 早稲田大学国際教養学部合格体験記 Bernie Sandersさんの場合

<お名前>

Bernie Sanders

<プロフィール>

純ジャパ
都内私立高校卒(男クサく偏差値はかなり低いが人間性を育む学校)
現役時はICUのみ受験し、見事玉砕する。
その後、四谷学院で1年間浪人を経験し今に至る。
<受験形態・合格年度>

合格年度 = 2016
一般入試

<予想得点>

国語得点 = 7-8割
選択得点 = 9.5割
英語得点 = 7割

(センター得点参考)
英語 筆記188 リス46
国語 176
世界史 96
<併願校>

慶応大法学部政治学科〇⇒進学
慶応大文学部〇
慶応大総合政策学部〇
慶応大環境情報学部〇
早稲田大文化構想学部〇
上智大法学部国際関係法学科(TEAP)〇(一般)〇
上智大総合グローバル学部(TEAP)〇
国際基督教大学(ICU)教養学部〇
青学大国際政治経済学部国際政治学科(全学部)〇
中央大法学部政治学科(センター)〇
明治大政治経済学部政治学科(センター)〇

いや受け過ぎだろ

<SILSを受験するまでのいきさつ>

現役時に少し通っていた予備校において、ICUと併願する受験生が多かったこと

<SILSへの期待>

英語運用能力の向上
-入試対策-

<現代文>

SILSの現代文は例年、小説の比重が多かったけれど、本年度はそのような文学的出題はなくなり、代わりにやや抽象度の高い評論文の出題となりました。早稲田の他学部の現代文では明確な根拠が複数隠されているのに対し、SILS現代文では、傍線前後のみにしかヒントがないため、あまり固く構えず、素直に解くのが良いと思います。これは実際に赤本の解説部に割かれる紙幅を、早稲田の他学部と比較した際にも明らかです。SILSの赤本の解説では「Aは文脈に合うため正解。他の選択肢は文脈に合わないため不正解。」で済まされることが多いのです。
また、SILSはまだ新興学部であるため、今後の傾向変化も承知しておく必要があります。そのため、現代文はSILSではなく、受験トップの難度を誇る早稲田の他学部に標準を定めて対策し、SILS現代文には慣れる程度に取り組むと良いでしょう。僕自身、他学部に比べてSILS現代文は2,3年分しか解いていません。

<古文>

SILSの古文は早稲田の中でも標準的な難度になります。
(1)文法(2)単語(400語程度で早稲田でも問題ない)(3)古文常識
の3つを「バランス良く」勉強することが肝要です。なかんずく(3)古文常識は手をつけるのが遅くなりがちですが、文法や単語を学習し始めるのと同じ時期に一通り目を通すことで、古文世界の豊かさに関心が生まれ、古文学習への大きなモチベーションになります。オススメ参考書は、Z会出版『速読 古文常識』です。

<世界史>

世界史選択でした。SILSの世界史の難度は、早慶上智と「年号・地図・出来事」の細かさの点で総合的に比較すると「やや易しめ」。本年度はさらに易化し、「易しめ」になりました。他科目にも言えることですが、ある科目について「どの大学・学部が最も難しく、基準にすべきか(たとえそこを受験せずとも)」を定めることが重要です。
さらに世界史では「年号・地図・出来事」の3点を最も細かく聞いてくる大学・学部を「3点別にそれぞれ」認識し、そのレベルの知識を「当たり前」として学習を深めましょう。僕の場合、第一志望は私立文系の中で最も偏差値が高いうちの一つ、慶応法学部でした。しかし、では世界史の難度は全て慶応法学部をトップとするべきか、というとそれは違います。もちろん「出来事」の点では断然、慶応法学部は他の追随を許さないから、そこに基準を置く。でも「年号」や「地図」は上智大の細かさが群を抜く、となれば早慶ではなく、マサカの上智を範として設定することになりますよね。世界史においては「年号・地図・出来事」の3要素をひとつでも欠く、又は基準設定を誤ると危険です。「3点別にそれぞれのトップ大学・学部」を夏頃までに決めると合格にグッと近づきますよ。SILS世界史は3要素をトップレベルで網羅したら過去問を慣れる程度に解きましょう。笑っちゃうから。
【使っていたもの(3要素別)】
(1)年号:『元祖年代の暗記法』
これはセンターレベルの年号を扱っている良書です。まずはこれで基礎を固めました。
(1)年号:「早慶上智の過去問からピックアップ」
次に多くの早慶上智の過去問を解き、問われる細かい年号を別途用意した紙などにまとめて、覚えました。Excelを使うと良質なオリジナル年号表をつくれます。ゴロは可能なかぎり付けた方がパニック時にも思い出しやすいのでおすすめ。
(2)地図:『ニューステージ資料集』(浜島書店)
地図対策はこれ一冊で十二分に足りますが、どこまで細かく覚えるべきかに関しては、上智大の過去問をチェックすれば分かります。鬼畜です。本年度の慶応法学部の世界史では、「キエフ(ウクライナの首都)を流れる川は何か」という出題があり、語群の中にドニエプル川とドニエストル川という紛らわしいものがありました。しかし、地図問題は上智の右に出る者はいないので、この程度の問題は上智に標準を合わせていた人なら100%の確信を持ってドニエプル川を選べる訳です。
(3)出来事「予備校テキスト」
予備校の世界史講師が書き下ろしたテキストです。
(3)出来事「一問一答」(東進)
予備校テキストに載っていないもので妥当な知識を抜粋し、予備校テキストの余白に書き込み、情報を一冊に集約して使いました。赤シートを用いる一問一答的な学習はなるべく避けましょう(理由は後述)。
【オススメ学習法】
僕が実践していた世界史学習法は。。。
(1)「自室で壁に向かって世界史を授業する」
決して寂しい奴ではありません。オックスフォード大の研究結果で一躍有名になった「ラーニング=ピラミッド」という学習効果を学習法別にはかった図があります。その中で最も学習効果が低いのは「講義を受ける」と「読む」。対して学習効果が最も高いのが「教える」なんです。自宅の自分の部屋で思い切り声を出して、壁に「世界史を教える」。ハンパなく知識定着率が高く、しかも長期的に抜けにくい。予備校の自習室で東進の一問一答を赤シートで隠しひたすら「読む」勉強法なんかよりずっといいのだから、採用しない手はありません。
(2)「知識を関連付けながら授業する」
具体的な「ひとり授業法」について。知識の「単発」のインプット・アウトプットでは定着は見込めないため、意識すべきは「ブレインダンプ」といわれる手法。ある一つのテーマにおいて、知っている事柄を「全て、何も見ずに、吐き出す」というもの。教科書や予備校のテキストを広げ、「帝国主義」を勉強しようと思ったら、そのページにある事項を「関連付けながら言ってみる」。18世紀後半のことで…、イギリスだと自由党と保守党がいて…(あ、アフリカ分割にも言及できるな)、といった具合に。こうすることで、知識がツタのようにスルスルと脳内で「体系化」され、長期間定着しやすく、瞬時に思い出しやすくなります。
(3)「早口で言うことで、聴覚から定着させる」
世界史で、頭を悩ませるのは「文化史」。本年度のSILS世界史でも、中国文化史の比重は多かった。文化史のように「作者・人物」と「作品・出来事」を結ぶ必要があるが、覚えやすいストーリーがない事項に関しては、(3)の手法がおすすめ。『牡丹亭還魂記』は「湯顕祖」が著した書物ですが、これは単に「ボタンテイカンコンキ・トウケンソ」を超早口で何十回も言っていれば、「耳が勝手に覚えてしまう」。文化史を勉強するときは「早口勉強法」と決めてルーティーン化すれば無限に覚えられること請負です。
(1)を軸に(2)(3)を実践すると差がつきます。ホントよ。
<英語リーディング>

純ジャパの人は参考までに。
SILS英語は私立のみならず国公立の大学の中でトップクラスの難度です。ただ注意したいのは、英語における難度の決定要因には2つあること。「問題そのものの難しさ」と「制限時間の厳しさ」です。SILSの問題は決して難しいレベルではない。この学部が恐ろしいのは「制限時間」なんです。鬼畜か、と思われるほど厳しい。問題自体は簡単なのに、リミットがタイト、というのは「日常生活での素早い情報処理能力」を求めているということです。この対象は「帰国子女」に他ならない。したがって、純ジャパがそこに食い込むためには、早期に語彙力の不安を消すことと速読即解の力を養うことが必要になってきます。ただリーディングはリスニングの能力ともちろん相関関係にあるため、後述のリスニングトレーニングを怠らなければ、速読即解力の大幅な向上は期待できます。以下は語彙力増強について。
【おススメ単語帳】
(1)ステップ1:『単語王』
素晴らしい単語帳ですよね。みんな持っています。早慶上智ICUはこれで十分で書いてありますもんね。確かにこれ一冊で力はつきます。ただ、足りませんよ全然…。tangible、susceptible、compatible・・・掲載されていない重要語がめちゃくちゃあります。
(2)ステップ2:『英検準一パス単(旺文社)』
これは単語王に掲載されていない重要語をカバーする良著です。差がつきます。一般に早慶上智ICUは英検で準一級に相当すると言われている点からも評価できます。
(3)「早慶上智ICUの過去問」
リスニングのところでも書きましたが、ここで拾える単語は自分の物にしましょう。受験の先に何も見えず、思考が受験英語どまりの人と、受験を通過点として捉え、出てきた単語を片っ端から記憶する人だと大きく差がつきます。
④「英字新聞・雑誌」
時間があれば、音読できるに越したことはない。SILS特有の英語小説・随筆などの文学的出題に慣れるにはもってこい。定期購読なら値段もかなり安いのでオススメ。The Japan Times On Sundayは週刊なので、時間がない現役生でも1週間でじっくり「使い倒せる」量になっています。
【単語学習法】
これでも僕は高校で真面目に英語をやり始めて、高3の4月にTOEIC800点を取得する程英語は勉強していたので、単語学習に苦労した経験も当然あります。そして、最終的にはやはり「一度に大量の単語を見ることを繰り返す」という方法に落ち着きました。この方法なら一日に100個、もっと頑張れば200個は余裕です。ユニクロの社長が海外へ出張に行く前には自宅の部屋の壁一面に1万個以上の単語をかいた紙を貼って覚えたというエピソードに代表されるように、「(1)1回100個を(2)一日に何回も見る」という方法が効果が高いと思われます。
また単語学習の進捗状況に大きな影響を与えるのは「英語文化圏への憧れの有無」です。海外ドラマや映画見ることで「将来、絶対英語ベラベラになるぞ!」という語彙強化へのモチベーションになりますから、急がば回れと思って息抜きしてください。その憧れを味わえるのは純ジャパの特権ですよ(笑)
<英語ライティング>

ライティングで大切なのは、本番で使うだろう「文章構成」を年間を通じて固定し練習する事です。例えば、Yes or No、理由(1)、譲歩、反論、具体例、理由(2)、結論といったプロットです。このような構成を予め決めておくことで、普段、社会問題に対して考える時の思考法にもこの順番を適用できます。後は、適宜「書く」練習を行って、先生に添削してもらうと良いでしょう。
7fその他 = いろんな参考書(What)に手を出さず、勉強方法(How)の工夫で攻めるのも面白いと思います。今の世の中、Whatじゃ差がつかないので。文系科目なら極論、「座らないで勉強」もアリかと。

<英語リスニング>

僕は純ジャパなので、当初はリスニングの勉強方法が全然分からず、ネットで調べました。そこで出会い実践した、一般的なアドヴァイスとおススメの教材をお伝えします。
【アドヴァイス】まず、「リスニングの3本柱を理解すること」が肝要です。(1)知らない単語は聞き取れない(2)発音できない単語は聞き取れない(3)自分が発音できない速さにはついていけない、ということです。言われてみれば当たり前、されど認識が浅い人もいるかも。
次に、この3本柱から以下のことが導かれます。(1)語彙力徹底強化(2)(3)スピード、発音を意識した音読、によってリスニング力の大幅な向上が見込めるということです。(1)についてはリーディングの方でお伝えしたので、ここでは音読について書きます。音読なしに僕の合格校はなかったと言える程、音読は勉強の伴侶です。
【おススメ教材】
(1)「podcast」の「TIME’s Top Stories」(無料)
音読には「正しい発音・英語のイントネーション」を学ぶ必要があります。いわゆる「聞き流し」は批判されていますが、ここでは英語の内容をひとまず無視し、とりあえずプロを「マネする」ことが大切なんです。NHKの「クローズアップ現代」の国谷アナは帰国子女ですが、今でも朝の出勤前に内容を気にせずアメリカのラジオのアナを「マネ」するトレーニングを欠かさないと言います。この過程が全ての基礎になり、あなたの音読過程を支えます。僕は毎日、予備校と自宅までの往復、マスクの下で口をゴニョゴニョさせていました(気持ち悪いことより合格が欲しい一心で)。東進の安河内先生や灘高校のキムタツが言う様に「Don’t learn English at your desk!」なんですね(笑)。このpodcastはアメリカの時事をはじめとして世界の情報を得ることができますから、語彙、スピードについていけるようになったら内容も楽しめること請負です。

(2)「早慶上智ICUの過去問」
(1)で英語の「発音・イントネーションの特徴」を体で理解したら、次は過去問を使います。この過程は自宅で大きな声で取り組むと良いです。一通りリーディングを終えた後、その英文をあなたの体に100%取り込みます。語彙、構文、1パラの長さ、論の展開の仕方、トピックなど、「全て吸収してやる!」という気概を持って、「音読」し倒します。倒置やso thatの構文などはリスニングに頻出する割に聞き取れないことがありますから、難解なリーディングの文章で鍛えましょう。この作業を通して、リーディング速度が飛躍的に上昇することも魅力的でしょう。この過程では(1)で身につけた英語の発音を意識して、アメリカ人になりきりましょう。また、何回も同じ文章を音読して残滓(残りかす)のないように。僕は早慶上智ICUの過去問を予備校で数十問コピーし自宅で近所迷惑な程、音読してましたね(近所のオバチャンには事情を言って)。

<その他受験に関するアドバイス>

ろんな参考書(What)に手を出さず、勉強方法(How)の工夫で攻めるのも面白いと思います。今の世の中、Whatじゃ差がつかないので。文系科目なら極論、「座らないで勉強」もアリかと。

<最後に一言>

がんばっぺ。